引きこもりから抜けるには行動が大事!
とは言うけれど、その行動がむずかしい引きこもりの人がいることも忘れないであげてほしいな・・・
「引きこもりを脱出できる唯一の方法は行動すること!その具体案を並べました!さぁ行動しましょう!以上!」
なんて記事はネットや本でたくさん見たよという引きこもりの方はたくさんいるかと思います。
唯一といっても行動しかないじゃん!とあきらめているあなたがいませんか?
たしかに行動しないとなにも変わらないのは事実です。
例え無人島にひとりぼっちでいても、船をつくって海に出て、人がたくさんいる場所に向かわないと、一生ひとりぼっちです。
それでもなにもできないあなたがいませんか?
本記事は引きこもりの特徴や行動する具体案などはもちろん、それでも行動できない人の原因と対策を紹介します。
引きこもりの原因3選
まずは引きこもりの原因を3つみていきましょう。
挫折や失敗などのつらい体験
引きこもりになる原因のひとつとして、当事者自身の挫折や失敗などのつらい体験があります。
- 行きたい高校や大学に受験したけれど失敗した
- 就職活動で41社全部に断られた
- 25年務めた会社にリストラされた
人生における失敗や挫折などがきっかけで引きこもりになる人が多いです。
人間関係がつらい・苦手
体験した人が振り返ると「こんなことで……」という場合でも、乗り越えることがむずかしい、あるいは乗り越える方法がわからずに苦しいと、引きこもってしまいます。
人間関係のトラブルも原因の一つです。
学校ではいじめがきっかけで不登校、職場でも上司からのパワハラがきっかけで職場にいづらくなって退職。
これらのように人間関係による心の傷がきっかけで引きこもります。
人間関係のトラブルがきっかけでうつ病や適応障害などの精神的疾患になって引きこもるのも珍しくありません。
おれは友達の裏切りから、彼女にも降られて、心が傷つき、ひきこもって部屋もめちゃくちゃになった
それは、人間関係で心が傷つき、引きこもることで自分の身を守っています
家族とうまくいってない
家族、特に親の不理解が引きこもりを誘引させます。
子どもに精神論や根性論で責め立てるような昭和風の指導が引きこもりを増加させたのでしょう。
近所から悪いイメージが持たされるのを避けるために子どもの引きこもりを隠して行政機関に相談しない、子どもから言われるがままにすることが長期化させる要因に。
ここから先は、実家で引きこもってるなら、家族と一緒に読んでみてください。
引きこもりで起きる問題3選
引きこもりになってもインターネットが使えたら楽しい時間を過ごせる、働くて済むなどと考えている人もいるでしょう。
今回は引きこもりになることで起きる問題を3つ紹介します。
心も体も健康状態が悪化する
部屋に引きこもってしまうと生活リズムが狂い、運動をする機会が減ることで筋力低下や糖尿病、自律神経失調症などを起こす恐れがあります。
そして、家での引きこもりが精神的に蝕み、性格や思考のネガティブ化や孤独感、自信の喪失につながります。
「社会的ひきこもり」には、多彩な症状が随伴する。ほぼ頻度順に列挙すると、対人恐怖(自己臭、醜形恐怖を含む)、被害関係念慮、強迫症状、家庭内暴力、不眠、抑うつ気分、自殺念慮、摂食障害、心身症状、心気症状、などがある。
医療法人社団爽風会 あしたの風クリニック 社会的ひきこもり
これらがきっかけでうつ病や統合失調症などといった精神的疾患だけでなく、孤独死を迎える悲しいケースが実在します。
他人とのコミュニケーションが難しくなる
引きこもりになることで他人とのコミュニケーションの取り方を忘れてしまいます。
特に長期化すると社会や人間関係から切り離されてしまうので、独自の価値観ができてしまう、人との会話や感情の読み取り方などが分からなくなります。
両親間の問題解決と並行して、本人と両親のコミュニケーションを活発化する必要がある。この点についても、治療開始の時点では、ほとんど断絶に等しい状態が何年間も続いていることが少なくない。その努力はしばしば、砂漠を緑化することにも似て、土壌を活性化し、種を蒔き、芽吹くことをひたすら信じて待ち続ける行為になぞらえることができよう。しかし不自然さをおそれず、正面から本人に向かい合い、言葉による働きかけを続けていくことで、会話を復活することは可能となる。
医療法人社団爽風会 あしたの風クリニック 社会的ひきこもり
中には対人恐怖症などの心理的なストレスと不安の症状によってコミュニケーションが困難になることも。
仮にパソコンやスマホを通して文字や声などのコミュニケーションを取れても、直接人と会って関わるコミュニケーションを忘れてしまうと社会復帰のハードルが上がります。
経済問題
引きこもりの方で親のお金や自分で貯めた貯金で生活している人がいますが、真剣にお金について考え直す必要があります。
生活するのもお金が要ります。
特に親に頼って実家で暮らしている方は親が高齢化して亡くなった後のことを考えないといけません。
引きこもりの解決には、家族の理解が必要なケースは実際にあります。
ただ、親だから責任をもって子どもの面倒を見なければならない、という価値観では引きこもりを解決するにいたりません。
親自身が価値観をあらためて、子どもの自立に必要なサポートは何ができるのかを考えましょう。
認定NPO法人 ニュースタート事務局 引きこもり状態の心理は?解決に向けてできること
また、貯金を切り崩して生活をするのも、いつか底をついて困窮してしまうでしょう。
貯金や親などに頼りすぎるといつか親がいなくなり、貯金もなくなって困る時が来ます。
引きこもりから立ち直るきっかけ
きっかけは様々ですが、引きこもりからの脱出のきっかけで一番大きいのは成功体験の積み重ねだと考えています。
小さな成功をきっかけに自信がつき、積み重ねを行うことで、引きこもりからの脱出につながります。
- 掃除だけでなく近所の散歩
- 家族以外の人との会話に挑戦
- 生活リズムをととのえるための早寝早起き
様々な小さな成功体験の積み上げ方があります。
小さな成功体験の積み重ねがあなたを変え、見上げれば済んだ青い空が舞ってます
【3ステップ】引きこもりを脱出できる唯一の方法
ここで、引きこもりから脱出するための3ステップを紹介します。
ステップ1:まずは助けを求める
まずはひきこもり地域支援センターをはじめとする相談できるところに連絡。
引きこもり地域支援センターや引きこもりの支援機関を紹介している厚生労働省のページがあります(詳しくは厚労省のページまで)。
電話、あるいはメールに挑戦することから始めていきましょう。
行政機関がむずかしいなら、引きこもりを支援しているNPO法人に頼るのがよいかもしれません。
機関・団体によってはLINEで受け付けています。
ステップ2:相談支援機関のアドバイスや支援を受けながら動く
相談を受けることができたら、アドバイスに重なるかもしれませんが次のステップにすすみます。
次のステップはかなり時間のかかる内容になるので、Twitterを投稿のように、支援者の手を借りながら、焦らずに引きこもりから抜け出すように動くように心がけてください。
病院に行って治療やカウンセリングを受ける
もしうつ病や対人恐怖症などの精神面での問題があったら、病院に受診することから始めましょう。
心の病気からの回復には時間がかかりますが、治療やカウンセリングによって心を開いていきます。
在宅ワークやバイトに挑戦する
社会に出るためにはまずは就労が必要です。
しかし、いきなり会社員になるのは難しいので、まずは一人でも在宅ワークできるお仕事をやってみませんか?
慣れてきたらバイト、高齢者の方はシルバー人材に挑戦して人と関わるようにするといいでしょう。
障害者手帳や医師の診断をお持ちであれば、福祉の事業所を利用
障害者手帳を習得、あるいは病院の医師からの診断があれば、障害者向けの福祉の事業所を利用することができます。
地域生活支援事業所かB型事業所に通所して生活リズムをととのえ、作業しながら人と交流できるようにします。
慣れてきて、さらにお仕事に挑戦したいという意欲が湧いてきたら、ぜひA型事業所や就労移行支援事業所の利用を検討してください。
ステップ3:一般の人と触れ合おう
ステップ2で時間がかかることもあります。
徐々に一般の人たちと触れ合うように動きながら次のステージに進む方法を紹介。
会社員、フリーランスにチャレンジ
アルバイトやA型事業所などで仕事や人との交流などに慣れてきたら、次は働きたいですよね。
特に若ければ若いほど就労のチャンスはあります。
職業訓練や就労移行支援事業所などを利用して仕事の技術やビジネスマナーなどを身につけ、支援を受けながら就活にトライしてみます。
とはいえ、就職活動の努力をしても結果が叶わないことだってあるよ……
会社員は難しいあなた、フリーランスをやってみませんか?
楽してすぐに稼げるわけではなく、会社員より収入が不安定で、一人でやらないといけないことがたくさんあります。
しかし、少しずつ技術や実績などを積み重ねていけば会社員になることなく自分で稼ぐ力を身につけることができます。
新しい趣味や学びを始める
引きこもっていた頃は家でネットサーフィンやオンラインゲームが生活の中心だった
しかし、社会に出るようになり、お金を持つようになったら新しい趣味や学びに挑戦してみませんか?
- 旅をする
- 料理教室に通う
- スポーツクラブで汗を流す
- コミュニケーションの勉強
家に引きこもっていたときには考えられなかったやりたいことができますよ。
挑戦したくなったら、ぜひチャレンジしてみてください。
ただし、ギャンブルやゲームなどにのめりこむような依存状態にはご注意を。
コミュニティに入る・仲間や友達、恋人をつくる
人との関わりの苦手を克服したら、いよいよ仕事以外でも人に関わっていきましょう。
ステップ2の段階で仲間や友達ができていたら、ぜひ大切にしてあげてください。
そうでない方でも社会人サークルやオンラインサロンなどで仲間や友達を作ってみてください。
特に若い方はマッチングアプリを通した人との出会いに挑戦しませんか?
婚活・恋活から飲み会まで、さまざまなマッチングサービスがあります。マッチングアプリを使って友達だけでなく恋人に出会い、結婚もできたら、より充実した人生になるでしょう。
引きこもりから社会復帰した体験談
ここで引きこもりから社会復帰した人と家族の声をTwitterとYouTubeから紹介します。
夢じゃない、あなたが叶えた現実です!
この投稿を読むと、引きこもっていた当時の自分では考えられなかった、夢のようなものが現実になります。
成功体験の積み重ねでしょう。
社会復帰は素晴らしいけれど、また引きこもりに戻らないように家族がフォローする必要がありますね
家族からの視点ですが、引きこもりの家族が就職を成功したのはうれしいことです。
しかし、無理をしてまた引きこもりに戻ってしまうケースも残念ながらあります。
そうならないように家族で支え合って欲しいものです。
こちらの動画の投稿主は、50代で他人からのいじめが原因で退職し、引きこもりを2年間していました。
ところがある1枚のハガキをきっかけに引きこもりから脱出する決意をし、少しずつ成功体験を積み重ねて今は外に出かけられるようになったとのことです。
美味しそうな食事を作りながら文字で引きこもりの体験を書かれています。
この動画は引きこもりで辛い中高年の方に観て欲しいわ。
それでも行動できない人の原因と対策
「引きこもりの原因や問題点を出し、解決策を出したのでさぁ行動しましょう!」といっても、違う、そうじゃないという気持ちがありますよね。
どうして行動したほうがいいと思うのに行動できないでしょう。
それは、あなたが「自信が持てない」からです。
行動しようにも、「どうせ、うまくいかないだろう、失敗するだろう」とネガティブに考えて行動をためらっていませんか。
確かに行動には失敗がつきものです。
だからこそ、小さな成功体験を一つできたら「私はよくやった」と自分自身をほめ、失敗したら「大丈夫、次はこう改善したらきっとうまくいく」と自分を言い聞かせてみませんか。
そうすることで失敗の傷が少し軽くなり、小さな成功をした自分を褒めるたびに自己肯定感が少しずつ上がっていきます。
大丈夫です。引きこもっている自分を変えたくてこの記事を読んでいるあなたならできます。
今からでもいいので、「引きこもりから抜け出そうと勉強している私はよくやった。次はこの記事に書いてあったステップ1の引きこもりの相談支援に電話してみよう」と自分に褒めてください。
ステップ1がむずかしいと感じるなら、部屋の外に、家の外に出て散歩してみるだけでもいいです。
あなたはすでにこのブログを読むという引きこもりから抜け出すための行動をしていますから、素晴らしいです。よく頑張っています。
この小さな成功体験を一歩に踏み出していきましょう。
よくある質問と回答
- 引きこもりの脱出体験談はあるの?
-
体験談はネットや本などでたくさん書かれていますが、ここでは私の引きこもり脱出を目指している友達の事例を紹介します。
その友達(30代男性)は中学校の頃のいじめをきっかけに適応障害やうつ病になり、不登校を経験しました。通信制の高校に進学して一般の大学に受験して合格するも体調悪化が原因で1年間の休学を経て退学、自信を失って自宅に引きこもっていたそうです。
しかし、親やカウンセラー、医者の手助けもあって彼は少しずつ成功体験を積み重ねて頑張り、東京の自宅から通信制の大学に入学、10年かけて卒業をしました。
彼は発達障害の診断が出され、現在はA型事業所に通所しながら大学院進学に向けて勉強と貯金に励んでいます。
- 具体的な引きこもり支援機関を教えてほしい
-
ステップ1で紹介したひきこもり地域支援センターもありますが、他にも支援機関がありますので紹介します。
- 精神保健福祉センター
- 保健所
- 市町村保健センター
- 社会福祉協議会
- 生活困窮者の自立相談支援機関
- ひきこもり家族会
- ひきこもり関係のNPO法人
まとめ
引きこもりからの脱出はなかなか大変です。
時間がかかりますし、長期化して中高年になってしまうとより一層ハードルが高くなります。
だからこそ、まずはこのブログの記事を読んだ自分をほめ、引きこもりから抜け出すために時間をかけた、小さな成功体験の積み重ねをしていきませんか?
積み重ねができている頃には、あなたはきっと社会でも元気で人と関わるのを楽しんでいるでしょう。
ご意見をお寄せいただけると幸いです